2020年05月01日

女性委員会 委員長挨拶                池沼靖子


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 今年度より女性委員会の委員長を務めさせていただくことになりました池沼靖子です。
 よろしくお願いいたします。

 19年前会社勤めを辞めて一人で仕事を始めたころ、
仕事では直接関わることのない女性建築士どうしの集まりが私の心の拠り所となりました。
その後結婚・出産して一旦仕事からも建築士会からも遠ざかってしまい、
要領の悪い私はなかなか再開できずにいました。
そんな時声をかけて下さったのが女性委員会の方で、
まずは引きこもりから脱出しようと建築士会の活動に再び加わりました。
会社勤めをしながら仕事後の時間と休日を利用してイベントの企画・準備をする人、
子どもを抱きながら会議に出席する人、
事務所を切り盛りしながらも活動を引っ張っている人、
様々な人生の段階にある女性建築士が集まる場所がとても刺激になりました。

会社勤めが短かった私は、女性委員会の活動を通して様々な経験をさせていただきました。
愛知の建築原稿作成をはじめ委員会会議の司会進行、
セミナーやワークショップの企画・準備からデータのまとめ・報告書の作成まで、
初めてのことばかりでしたが先輩方にご指導いただきながら、
今ではなんとか役割を果たせるようになってきたのではないかと思っています。

仕事の方では下請け業務が多く建築業界に貢献するには程遠い状態ですが、
時間に余裕がある今だからこそできることがあると思い今回の大役をお引き受けさせていただくこととしました。
至らないところばかりですが精いっぱい務めさせていただきます。

 さて、女性委員会では毎年いくつかのイベントを開催しています。
昨年度は防災セミナー、パーステクニックや住まいの絵本の講習会、
名古屋市市政資料館や碧南市哲学たいけん村無我苑など施設見学会のほか、
毎年恒例のわたしらしい住まいづくりでは女性建築士の作品パネル展とセミナーにあわせて絵本の読み聞かせ&ワークショップも行いました。
建築関係の方のみならず一般の方、子どもたちにも参加していただき、
建築やまちづくりに興味を持っていただけたのではないかと思っています。
今年度も多様なイベントを企画していますので、是非一度ホームページ等をご覧いただき顔を出して頂けたら嬉しいです。
また女性委員会は建築士会東海北陸ブロック会女性建築士協議会、
全国女性建築士連絡協議会、建築士会全国大会にも出席し、
他県の女性建築士の活動報告を聞き意見交換をして、
それを参考に愛知県での活動をより意義あるものにするように努めています。

 何のために女性委員会の活動に参加しているのか?一言では言い表せませんが、
例えばワークショップのテーマとして取り上げようと調べたこれからの日本の変化と建築士のあり方とか、
遠い存在だった講師の先生方と直接お会いしてお聞きした話とか、
普段考えたり経験したりすることのないその一つ一つが私にとってとても貴重な宝物であり、
自分の人生を豊かにしてくれている事だけは間違いないと感じています。


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2020年04月01日

わたしらしい住まいづくりセミナー「なぜ今、リノベーションを考えるのか」報告 佐藤直子

 令和2年2月1日、第29回わたしらしい住まいづくりのセミナーに、ブルースタジオの大島芳彦先生をお迎えしました。

 タイトルは「なぜ今、リノベーションを考えるのか」

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 日本は空き家の活用ができていません。日本に‘空き家は資本’という考え方はなく、500兆円の経済損失と言われています。
新築を建てた瞬間から価値はどんどん下がっていく…。
 中古住宅の流通が健全な米国はそういった損失はないのです。我が国もそこをなんとかできないものでしょうか。

 敷地に価値のある時代は終わり、地域に価値を見出す時代となっていきます。
そして、作る時代から使いこなす時代へシフトしていくのです。そこで、リノベーションがカギを握るのです。
 リノベーションとリフォームは根本が違います。
Re inovation (経営改善.マネジメント.暮らしの編集―建築的行為のみにあらず)
Re form(仕立て直す)
つまり地域経営、都市経営という発想がリノベーションです。
 物件の価値は人によって違い、コミュニケーションによりその地域の一貫性が生まれます。関係性のリ・デザインが、持続可能な街の元となります。そして、
あなたでなければ、
ここでなければ、
今でなければ
というビジョンを構築し、共感を取り戻すことがその第一歩となるのです。

 大島先生が手掛けた事例の数々は、高齢化などで閑散としてしまった駅前立地の企業の団地、
歯抜け状態になった民間の賃貸マンション、
過疎の町の廃校になった小学校…。
どうしようもない社会のお荷物となったエリアや建物を、地域経営の考え方でものの見事に再生させています。
住民を増やし若返らせ、人気スポットにさえなっているのです。
 日常を見直し、あるものを見つける。生活の蓄積が用の美を創り出します。
 今までの常識や考え方を変える必要性を認識し、今後の仕事に活かしていきたいと思いました。
身に詰まる質疑も多く、やや時間延長気味になる程で、受講者皆が何かを強く感じた、とても素晴らしいセミナーでした。

 大島先生と委員会の皆様に厚く御礼申し上げます。

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2020年03月31日

第29回 わたしらしい住まいづくり イベント報告      高比良実紀

 今年度は1月25日から港図書館との共催企画「住まいの絵本 読み聞かせ&ワークショップ」でスタートし、
1月28日から2月9日まで名古屋都市センターまちづくり広場にて女性建築士の作品、活動紹介パネル展示と一般向けに住まいの無料相談会を、
2月1日にはセミナーを開催し、多くの方にお越しいただきました。
 たくさんの方にご参加、ご協力いただきましたことを心より感謝申し上げます。

■ 住まいの絵本読み聞かせ&ワークショップ 「ちいさいおうち」どこにたてる?

「ちいさいおうち」の読み聞かせ
 場面に合わせて三輪氏の制作した木のおもちゃが登場。
みんな物語の世界に見入っていました。
 港図書館さんには、住まいの絵本をご紹介いただきました。

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 ワークショップでは折り紙のちいさいおうちを地図上の好きな場所に建てて、自由に周りを描きました。
 子どもも大人も時間を忘れるほど夢中になって、楽しくておもしろい町ができました。
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■ 女性建築士の作品・活動紹介パネル展示

 今年度はセミナーに絡め「リノベーション」をテーマにパネル展示を行いました。
 耐震改修、住み手の世代交代、暮らし方の変化に合わせた改修など、建物や住み手による課題に女性建築士ならではの提案が盛り込まれた作品が並び、見ごたえのある展示となりました。
 テーマであるリフォーム・リノベーションの展示の他にも手掛けた建物、活動などを紹介し、建築士の活動を知っていただく良い機会となり、アンケートでは満足度・また見たい・女性建築士に興味があるという統計を約8割いただけました。

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■ 住まいの無料相談会

また、住まいの無料相談会には、パネル展をご覧になってお越しになった方が数組いらっしゃり、
女性という立場、専門家としての経験と特徴を活かすことができた相談会になりました。


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2020年03月06日

「すぐに役立つパーステクニック」講習会の報告   吉野純子

 令和元年12月15日(日)に、女性委員会主催の「すぐに役立つパーステクニック」講習会を開催しました。
前回も大好評だったパース講習会ですが、今回も老若男女16名の参加者がありました。
 講師の酒井ゆり菜先生は、女性委員会の仲間でもあります。
普段一緒に委員会活動をしていても、なかなか具体的に教えていただくことはできないので、とてもいい機会でした。
酒井さん(講師の先生ですが、普段呼びなれた敬称で失礼します)は手描きやCGパース作成、
それに水彩スケッチの講師も務めていらっしゃいます。昨年出産を期に独立されて、
今は幼子を育てながら活躍されています。

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  講習では、室内パースを鉛筆一本で仕上げていくことを目指しました。
今回の題材はLDKで、家具や小物も描いていきます。
まず、見せたいポイントをしっかり考えて構図を決めます。
正面より視点を左右に振った方が絵に動きが出ます。
逆に重厚感を出したいときは正面からの絵にします。
次に目線と消点を決めて、グリッドで切って部屋を描きます。
そこに壁の凹凸や窓などの建築的な要素と、家具や小物などインテリア的な要素を入れていきます。
格好良く仕上がる線の描き方や影の付け方のテクニックも具体的に教えていただきました。

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  説明を聞きながら、実践で手を動かして描いていくのですが、
2時間半の講習があっという間でした。
もっとたっぷり時間があってもいい!と思えるほど楽しく集中しました。
私は普段からお客様へのプレゼンで、手書きのパースを描いています。
しかし感覚的にやっていた部分も多くありました。
今回パーステクニックとして理論的に教えていただいて、
なるほど!と思う部分がいくつもあり、意識して描くことも大事だと感じました。
 とはいえ、手書き線のニュアンス、影のつけ方、鉛筆のタッチの具合によってパースの雰囲気は違ってきます。
同じ室内のパースを描いているつもりでも、酒井さんの描いた見本のように「雰囲気のあるパース」にはならない…。
とにかく機会を作って何度でも描いていくことで上達するとのことなので、
どんどん描いて、満足いくパースを仕上げられるようになりたいです。

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2020年02月01日

見学研修会(令和元年11月15日)碧南市哲学たいけん村無我苑・藤井達吉現代美術館を訪ねて        近藤 万記子

 女性委員会の研修ではいつも新たな発見をさせていただきます。
今回の研修も総勢19名の参加者とともに愛知の様々な宝物を発見できる一日でした。

 まず、愛知県民でありながら藤井達吉現代美術館という存在を知らず。
旧商工会議所をリノベーションした黒い外観は、
寺町を形成する美術館周辺の街並みを意識されたもの
(第16回愛知まちなみ建築賞、第19回BELCA賞ベストリフォーム部門を受賞)。
そして参加者にはこの建物のみならず、企画展示をお目当てに参加された方もおみえでした。
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 その企画展示が「長七たたき」という人造石工法を確立した
「服部長七氏(1840〜1919)と近代産業遺産」の展示です。
たたきといっても消石灰と真砂土と水を練ったものを突き固めたもの。
明治時代に護岸工事などの大きな土木プロジェクトで採用されています。
鉄筋コンクリート工法が普及するまで日本の土木工事を支えた長七たたきの人造石工法。
現在は、四日市旧港に防波堤が重要文化財として残されています。

 藤井達吉氏(1881〜1964)の作品も生で初めて見ました。
私見で申し上げるなら、グラフィックデザイナーでインテリアデザイナーの先駆けであった方。
小原村での和紙工芸や七宝で有名ですが、現代の私たちにも新しさを感じさせる繊細なデザインでした。

 昼食にセッティングされたのは、碧南と言えば思い浮かぶ発酵系。
九重味淋(石川八郎治商店)のみりん工場内の民家レストランで、
季節の魚もろみ漬け御膳をいただきました。
地元の味の文化にも触れた気がします。
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 そして哲学たいけん村無我苑へ到着。
碧南市の住宅街にひそやかに、しかし4479uの広大な敷地の施設がありました。
「瞑想回廊」は鉄筋コンクリート造で若山滋氏の設計監修、
木造数寄屋の市民茶室「涛々庵」は中村昌生氏の設計監修、
研修道場「安吾館」は横内敏人氏の設計監修。
無我愛を唱えた地元の思想家伊藤証信氏と梅原猛氏の展示、
えて市民が利用する研修施設があります。
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 私たちの目的はやはり建物にあり、中村昌生氏の二重露地と茶室しかり、
お点前もいただける横内氏の立礼茶席と和室。
特に茶室と露地を包括した二重露地の囲い塀の存在は精神性を感じさせるもので、
思想を体現された建物が実在し、味わえる幸せを噛みしめました。
半面、こんなに良い施設がなぜあまり知られていないのだろうと、
残念にさえ思います。
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 私自身も含め、地元・足元の歴史文化や建築物に対して無知で、楽しめていないか。
愛知の建築をもっと知らなければ、と考える研修となりました。
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