2021年03月01日

防災セミナー2020「過去の災禍に学ぶ〜災害と感染症の深い関わりを学ぶ〜 池田 園子

 10月28日、名古屋大学減災連携研究センター長の福和伸夫氏による、
ZOOMウェビナーを使ったオンラインセミナーを開催しました。
女性委員会が防災セミナーを開催するようになって今回で10回目。
節目の回に、第1回目にお話頂いた福和先生に再度お願いしようという事になりました。
29名の参加がありましたが、オンラインという事で、東京や高知からの参加もありました。

「10月28日は何の日?」
まずは、こんな問いかけから。

答えは「濃尾地震が発生した日」なのですが、即答できなかった私たちはお叱りを頂くという、
いつもの福和節のトークで始まりました。
 過去を振り返ってみると、疫病と災害がほぼ同時期に発生していること。
それは偶然ではないと感じる点も多く、また、政治がそれらを転換にして大きく動いてきたことも先生の説明からよくわかりました。

 また、25年前の阪神淡路大震災の時と今と大きく違うのは国力の低下が進んでいるという点。
世間が誤解している防災についての常識について、過去の資料・データにて説明して頂き、
危機感を感じる時間となりました。
 なぜ誤解されたままの常識が蔓延しているのか?
それは、経済優先志向、個人的営利によって流されているからだというお話は、
私たち建築士がもっとしっかりするべき、という叱咤激励に聞こえました。

 後半は女性委員と福和先生による対談となりました。
パネリストは、女性委員から、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震の現地へ行きボランティア活動の経験もある下村さんと、女性委員会で長い間、防災セミナーの開催を担当してきた池田が務めました。

 コロナ禍を経験した今、災害に対する備え、心構えはどのように変化していくべきか、
7月に発生した九州での災害を参考にしながら意見交換を行いました。

 セミナー後のアンケートでは、
「女性委員会の10年間の防災セミナーの活動について刺激を受けました。」
といった一般参加の方のご意見を頂き、オンラインとなったおかげでいつもより広く防災の周知ができて良かったと思いました。

対談福和先生.jpg  福和先生

ウェビナーのパネリスト.jpeg ZOOMウェビナーを使ったセミナー
福和先生とパネリストとの対談

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2021年02月01日

近代建築勉強会「南山寿荘・南山学園ライネルス館・カトリック南山教会聖堂を巡る」に参加して 大坪一子

 令和2年度の見学研修は、
part1座学編(10/9)では見学建物の背景を知り、
part2実地編(11/5)で実際に建物を自分の目で眺め、
五感で感じて、多くの発見がありました。

新型コロナウイルス感染の予防対策として、座学はzoomのオンライン配信(参加者28名)で、
瀬口哲夫氏(名古屋市立大学名誉教授・工学博士)の講義を拝聴しました。
実地編は南山寿荘(なんざんじゅそう)において、参加者20名を、
1班・2班と半分に分け、見学時間をずらす配慮がされていました(途中参加者1名、合計21名)。

 Part1座学編は、八事の観光開発について、現在は高級住宅地ですが、
それには理由があるということでした。
中心人物は、愛知郡長を務めた笹原辰太郎で、開発が実行に移されたのは、
大正12(1923)年の八事耕地整理組合設立からでした。
組合長は後藤幸三、副組合長は笹原辰太郎でした。
大正14(1925)年、南山耕地整理組合が設立認可を受けました。
区画整理としては、八事土地区画整理組合(大正14年)、
音聞山(おとききやま)土地区画整理組合(昭和2年)がありました。
これらの2つの耕地整理組合と2つの区画整理組合からなる開発面積は、約400町歩(120万坪)。
八事山の風光を生かし、道路も直線ではなく地形に沿って屈曲しており、
大きな邸宅が建ってきました。
風致地区を指定することで、地域の自然美の維持・保全が可能になるという瀬口先生の言葉が強く心に残りました。

 Part2実地編の最初は「南山寿荘(なんざんじゅそう)」見学です。
この建物は、昭和美術館(昭和53年)を開館した後藤幸三の住まいでした。
もとは江戸時代末期・天保3(1832)年に尾張藩家老、渡辺規綱(わたなべのりつな)の別邸として熱田区堀川端に建てられていましたが、
昭和11(1936)年に現在地に移築し、間取りの一部変更などを行い、住み易くしました。

 まず、玄関を入った応接間は、元来、懐石料理を整える台所であった場所を、
飛騨高山古民家の部材を使って変更した民芸風の造りです。
1階茶席は「捻駕籠(ねじかご)の席」と呼ばれ、移築前の堀川端では高い柱で傾斜地に建っていて、
茶席部が浮いているように見え、さらに川に沿ってねじった間取りでしたが、
その姿を再現していました。

南山寿荘外観.jpg 南山寿荘外観

特徴として、普通は露地に設ける「腰掛待合」が、建物内部にあること。
また、にじり口に至る廊下は窓が大きく屋外を感じさせる露地の役割を持たせていること。
茶室内の床に向かって左手柱は上部30cmを残し切ってあり、
袖壁がなく、空間の広がりを演出していました。四畳中板入りの席で、
床前の1畳部は貴賓客用として天井を区切り、竹材の網代天井とし、
にじり口に近い2畳は一般客用で化粧屋根裏仕上、点前座1畳は天井を下げ、萩の簾天井(すだれてんじょう)でした。

 2階の広間は、武家の書院造で、9畳・10畳の続き間・水屋があり、
南の縁側から見える庭園は、枯流(かれながれ)を造り、池へとつなげた水辺の風情でした。
武家茶人で知られた渡辺規綱の茶名は又日庵(ゆうじつあん)と号し、実弟は裏千家11代家元玄々斎(げんげんさい)でした。
欄間の扇面のデザイン等に関わり、襖の引手は裏千家の替え紋である「つぼつぼ」を
模範にしていました。水屋の天袋の板戸は、後藤氏によるもので、
木目を生かして山脈を表現するなど意匠へのこだわりを感じました。

南山寿荘・2階広間の扇面デザイン欄間.jpg 南山寿荘・2階広間の扇面デザイン欄間

 その後は南山学園講堂・南山学園ライネルス館・南山学園ピオ十一世館・カトリック南山教会聖堂の見学をしました。
南山学園ライネルス館の設計者はマックス・ヒンデルで、昭和7(1932)年に竣工、
学園最初の中学校校舎本館でした。
道路に面して南正面を向け、北側背面にはグランドを設けたRC造3階建。
南面玄関上部の水平庇を4本の円柱で支え、外壁は黄土色の人造石仕上、
パラペットには山形の切込みを取り、窓が整然と並ぶシンプルな建物でした。
内部は約1.4m高さまで床と同じ色合いの濃茶色の腰羽目板張り、
壁上部と天井は白漆喰塗りと落ち着いた造形でした。
校舎群は用途の変更等で、増改築や新築をしましたが、
デザインは最初の意匠を継承し、新しい要素を付け足すという手法がとられ、
全体の建築群は統一性がありました。
これらの建築探訪では設計を学ぶ基本である、すばらしい建築を見ることができ、
とても感動しました。

南山学園ピオ十一世館.JPG 南山学園ピオ十一世館


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2020年12月01日

令和2年度講習会1「空き家対策勉強会」の報告    谷村留都

今年度は建築士会に限らず、多くの行事は激変した。
地域のイベントも建築業界全体の行事も相次いで中止になるなか、
女性委員会では初の試みとしてオンライン講習会を9月15日に開催することになった。

2020-09-15 (2).png

これまでも防災やまちづくりなど社会問題となっているテーマでの研修会を継続しているが、
今回は社会現象になっている空き家問題を取り上げた。
12月には不動産アドバイザーとして活躍中の吉田貴彦先生を講師に迎えての講習会を予定しているが、
その前哨戦として、不動産関連の仕事をしている女性委員会の近藤美夏さんを講師に、
空き家対策勉強会と称して空き家の現状を話してもらった。

 テレビ、新聞などの報道で全国の空き家は約840万戸といわれているが、
これは賃貸物件や売却物件の待機中のもの、別荘などすべてを含めた数値である。
住み手不在で空き家状態になっている家は空き家の分類の中では「その他住宅」と称され、
これは約340万戸である。
全国の県別の数値を見ると大都市周辺は低いが、
西日本中心に高い傾向がある。
「その他住宅」の中には利活用が困難な物件も多く、
改修したりして不動産市場に乗せられるものは全国で48万戸、
全体の15%である。
空き家ができる原因はさまざまであるが、
農村部では農地を切り売りして部分的に宅地化が進み、
また都市部では利用できない空き家が散らばり、
いずれの地域でも住宅の点在の仕方がスポンジ状になっている。
こういう状態ではインフラ整備も追いつかなくなり、
高齢化と合わせて今後さらに問題化する。

 国交省など国はさまざまなタイプの空き家に対して対策支援メニューを打ち出している。
空き家の再生や解体、空き家バンクの構築、住宅のセーフティネット制度、
建築基準法の一部改正、譲渡所得の特別控除等々10項目以上にも及ぶ制度の概要説明があった。
一度聞いただけでは理解できないので、
今回の講習を基に、心当たりがある施策をもう少しよく見ていこうと思う。

 最後の意見交換会では、高蔵寺ニュータウンの団地の改修事例があげられ、
思いがけない問い合わせが多かったという紹介や、
講師の近藤さんの身内所有空き家の活用例の紹介もあった。
これらを見るに、空き家の中には十分不動産市場で活用できるものもあるが、
多くは経済性というよりは人助け的な、
もったいないから使おうという事例のほうが多い。
住宅産業的には旨味のないケースであっても、
防災的なメリットや所得の厳しい人の助けになるというボランテイア的な要素もあり、
それらはお金に換算できない利活用ともいえる。
住宅の設計を生業としている我々は、設計した住宅がいずれ空き家になることも考えつつ、
汎用性のある、長く活用できる住宅の設計に関わりたいと思う。
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2020年09月01日

建築士会東海北陸ブロック会女性建築士協議会 令和2年度前期定例会議 報告 深見清佳  

6月27日(土)、令和2年度前期定例会議が参加者25名、
愛知からは8名の参加でZOOMによるWEB会議システムで開催されました。

WEB会議写真.jpeg

 30周年記念大会として開催を予定していた令和元年度後期定例(愛知)会議が
コロナウイルスの影響で残念ながら直前で中止に至ったこともあり、
前期会議開催の決定には安堵をしました。
東海北陸ブロック会女性建築士協議会では初のWEB会議という試みのため、
不安材料も多くあったのではないかと思いましたが、
事務局の方々のご尽力もあり、あらかじめ会議資料に目を通し、
質疑等も事前に提出することで報告事項、審議事項の承認と
スムーズに会議を進めることができ、
今後の会議の開催方法等についても話し合いをすることができました。

 WEBという新たな形で開催され無事閉幕した会議ですが、
本来は、飛騨古川会議として予定されており、
古川町について学び、自由散策も予定されており、
個人的にはとても楽しみにしていましたが、
それはまたのお楽しみにしたいと思います。

 「withコロナ」「新しい生活様式」の、一つの形として
リアル会議からWEB会議への移行は当然のこととなってきました。
WEBを上手く活用することで時間・距離に関係なく多くの皆さんと情報共有もできます。

 今後も各県のみなさんとWEBで活発な意見交換をし、
さらなる向上を目指していければと思います。
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2020年07月01日

令和2年度女性委員会オリエンテーションの報告           近藤美夏

近藤美夏顔写真.jpg
4月25日(土)、女性委員会の令和2年度オリエンテーションが開催されました。
ZoomのWeb会議システムを利用して行われ、電磁的審議(電子メールにての審議)も利用可能となりました。
参加者は23名でした。

同日には豊橋で交流会と見学会の開催予定もあったので楽しみにしていました。
すがすがしい風が吹き全国的に快晴で、
まさにお出かけ日和でしたがステイホーム期間真っ最中ということで残念ながら中止となり、
オンラインでのWeb会議のみとなりました。

令和2年度の活動計画は、全国女性建築士協議会の延期がすでに決まっていました。
その他の活動も、特に年度の前半では新型コロナウイルス感染症の影響による中止や延期、
内容の変更の可能性も考慮して柔軟に対応できるよう話し合いました。
講習会やセミナーの講師は県内を活動拠点にされている方を優先に探すことにしました。
また、昨年度の見学研修会での経験から県内にも優れた建築が多くあること、
地元でありながら気付かなかった良いところを認識することができたので、
今年の見学研修会も県内で計画することにしました。

「わたしらしい住まいづくり」は今年度で30回目を迎えます。
令和3年1月13日(水)から31日(日)まで名古屋都市センターでの開催を予定しています。
1月31日には上野千鶴子氏によるセミナーが計画されていますので今から楽しみです。
女性建築士の作品や活動報告のパネル展示に加えて、
女性建築士による建築相談会を昨年度は一定期間毎日開催したことによってとてもよい反響がありました。
それで今年度は建築相談会の日数や時間帯をどのように増やせるか今後検討することとなりました。
昨年度、図書館で開催した絵本の読み聞かせ&ワークショップについては、
すでに依頼がきている保育園があるということでした。
ありがたいと思うと同時に保育園児の年齢に合わせた工夫という新たな課題に取り組むことになりました。

今回は、初めてのWeb会議を利用したオリエンテーションでした。
まだシステムに慣れていない時期にもかかわらず、時間内にすべての話し合いが無事にできました。
あらかじめ資料が参加者にメール配信されていたので、各自が目を通してから会議に臨むことができました。
さらにWeb会議の画面共有による資料の説明も分かりやすく感じました。
感染症が収束してからも、Web会議システムを併用した集まりができればいいなあと思いました。
家族の世話や仕事の都合、移動時間などを考慮して、
参加をためらっていた女性建築士でも出席しやすくなると感じました。

残念な点があるとすれば、新しく委員になられた方の紹介や各委員の自己紹介をする時間までは割けず、会員相互の理解を深める場にはできなかったことでした。
また委員対象の会議でオブザーバー参加のお誘いができなかったのも残念でした。
思い起こせば、私が初めて女性委員会に参加したのもオブザーバー参加でした。
見学会の内容に魅力を感じ、休日を利用して交流会とセットで参加しました。
その際に先輩女性委員の皆さんの人柄に触れることができ、楽しそうで、しかもちゃんとまじめな会だなと思いました。
皆さんがそれぞれ、仕事や育児、介護といった状況で無理をせず、
出来る範囲で参加しておられると聞いて安心もしました。
新型コロナウイルスの影響が収束して、徐々に活動できるようになったら、あらためて交流を深めたいと思います。
ぜひ、多くの方の参加をお待ちしています。

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