2018年04月16日

平成29年度後期ブロックぎふ大会に参加して  池沼靖子

224日(土)・25日(日)、建築士会東海北陸ブロック会女性建築士協議会平成29年度後期ブロックぎふ大会『温故知新〜歴史と伝統をたずねて新たな発見へ〜』に参加しました。

 1日目の定例会議・懇親会・宿泊は万延元年(1860年)創業、歴史が感じられる「十八楼」でした。開会式後の分科会ではまず「ぎふ歴都路(レトロ)たび」歴史的建築物ガイドブックを紹介していただきました。平成28年度岐阜県建築指導課から岐阜建築士会への委託事業で、各圏域の女性委員が分担して調査にあたったとのこと。建物・町並みからみる歴史と生活・文化、特徴ある5つの都(みやこ)をテーマで分類した建物、中山道を中心とした旧街道沿いに今も建っている建物をまとめてあり、とても見やすく内容の濃い1冊でした。

 その後、@岐阜公園コースA井ノ口・金華・川原町コースに分かれてまち歩きをしました。私はAに参加し、「かご大仏」と呼ばれる正法寺の乾漆仏(骨格は木材、表面は粘土と美濃和紙に書かれた経典、漆、金箔で仕上げられている)の、建造中に様々な調整が行われたのではないかと思われる微妙な首の傾きや建物の歪みが印象に残りました。再び十八楼に戻り定例会議が行われましたが、各県の活動報告について、「同じことを繰り返しているようでも着実に前に進んでいるので、継続していって欲しい」という相談役の一言に力をいただきました。

 2日目は会場をぎふメディアコスモスに移して、まずは自由見学。図書館内部をゆっくりと歩きながら時々グローブ(半透明のかさ)のなかに座り、静かな時間を過ごしました。

講演会は『心地いい暮らし(ライフオーガナイズの考え方)』で、講師の竹内靖子先生は工務店勤務のころ新築住宅の収納が生かされていないことに気づき、ライフオーガナイズ(空間や暮らし・人生を俯瞰して仕組化する技術)を広めていらっしゃるとのこと。「利き脳」による自分に合った片付けの仕組みづくりは大変興味深い話でした。住環境が整うことで、楽に笑顔で暮らせて家族も幸せになる。建築に携わる人間としても家を整える主婦としても、改めて在り方・生き方を考えさせられるお話でした。

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2018年04月04日

第27回わたしらしい住まいづくり                                                  西郷真理子氏の講演会に参加して 〜誇りに思える暮らし方・まちづくりを考える      深見 清佳

 今年で27回目を迎える「わたしらしい住まいづくり」、そして部会として発足した女性委員会の30周年を記念して、120日(土)に「ライフスタイルがまちをつくる〜誇りに思える暮らし方・まちづくりと女性の活躍〜」と題して、講師に(株)まちづくりカンパニー・シープネットワーク代表取締役及びクリエイティブタウン推進機構専務理事の西郷真理子氏をお迎えし、セミナーを開催しました。

 西郷氏は大学で建築学を学ばれた学生の頃から住民主体のまちづくりに関わり、川越の蔵造りの町並み保存と商店街活性化、黒壁の長浜まちづくりをはじめ津波被害を受けた石巻の再開発事業など多数の実績が評価されています。国内外から注目を集め、数多くの受賞をされるなど多方面でご活躍をされており、それを裏付けるように、セミナーでは建築関係以外の方も含め多くのご参加をいただけました。

 各地方で過疎化の問題を抱えているのが日本の現状です。人口は減少し、商店街はいつしかシャッター商店街と言われるまちも少なくありません。その原因の一つに土地問題があると言われます。後継者がいないためシャッターを閉めたけど、土地の権利は離したくない。というように、新陳代謝の仕組みがうまく機能しなくなっていることが挙げられます。この問題が解決できれば効果のあるまちができる、ということです。

 西郷先生の考える解決方法とは―。土地の所有者・商店街の組合が土地の利用を共同で決めることができる「まちづくり会社」を設立し、会社が土地を借り上げ、出店したい人に誘致をすることで家賃収入、お店が持てるという両方にメリットを提供する「住民主体のまちづくり」です。

 住民主体のまちづくりでないと、再開発はうまくいかない。それは、地域に住んでいる人たちが、自分のまちを誇りに思うこと。そう言われると、まちの名所・旧跡を思い浮かべがちですが、そうではなく”自分たちの暮らし方“に誇りを持つこと。すると、自分たちが食べているもの、使ったりしているものが実は魅力的なものだと気づくことにつながります。魅力的なら、まちの外に情報発信してみようとつながり、そこに行ってみたい、食べてみたいと外から人が集まり、まちの産業を生み出し、雇用が生まれ、生活のしやすさも出て、良い循環が始まります。これがライフスタイルのブランド化による地域活性化ということです。

 私の住むまちも過疎化が進み、お店が段々とシャッターを閉めている現状です。半ば仕方がないのかなと諦めていた部分もありますが、今回のセミナーを聞き、普段あたりまえだと思っているものから魅力を探して、情報発信をして、まちの魅力を少しでも伝えられたらなと思います。今回の副題である、誇りに思える暮らし方・まちづくりについて考える良いキッカケをもらえたように思います。

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●名古屋都市ンター11階まちづくり広場            ●作品展 

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●西郷真理子先生のセミナー 「ライフスタイルがまちをつくる」      ●来場者のみなさん

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2017年12月28日

平成29年度 女性委員会30周年記念事業ワークショップ・懇親会を開催して  江上一枝

20171126日(日)午後、1988年に部会として発足した女性委員会の30周年を祝い、名古屋市東区の東海放送会館内ホテルレストランの「光の間」にて、記念事業を開催しました。

 10周年、20周年の頃とは様相が大きく変わった建築士の現状を見据え、30周年の今を転機とし、今後について本気で考えようと、建築士会会員だけの本音で語り合える場を設けることになりました。ワークショップ41名、懇親会51名の参加があり、歴代女性部長・委員長におかれましては、第15代までの全員にご参加いただき、穏やかに歓談しながら、次の世代に大切なメッセージを伝える貴重な機会にしていただきました。

 ワークショップは「人生を豊かに味わうために」をテーマとし、がんばっていることや悩みを伝え合い、そもそも悩みにしないというコツや、多様な考え方や現実があることを知り、それぞれに自分の現状を俯瞰する余裕が生まれ、自分の課題に向き合い、自分なりの答えを出して前進する勇気を与えられたと、目を輝かせる人の多かったことが印象的でした。

 また、名古屋工業大学ダイバーシティ推進センター長の藤岡伸子教授には、工学系女性を取り巻く現状と指導的立場での活躍を推進する大学の取組みの報告とワークショップをまとめていただきました。先生が勇気を与えられたという「女性建築士が幸せそうだ」という気づき。それは、ピラミッド社会の価値基準から逃れたり何かに頼ったり、一時的には「負け」のような態度に甘んじることを厭わない柔軟な価値判断は、仕事からも家事からも自分なりの幸せを感じられるライフスタイルを実現させており、今後のネットワーク型社会を生き抜いていく「強み」になるのではないかというものでした。先生の専門は美学。「美」には人間としての生き方が問われると聞いたことがあります。女性建築士の暮らしに「美」を求める幸せな生き方働き方は、先生だからこそ気づくことができ、私たちも、自分たちの人生の選択を再評価していただけたようで、自信と勇気をいただきました。

 このように思えるのも、30年以上前から部会発足準備に関わってくださった多くの先輩方の努力や思いやりとのつながりがあってこそと深謝し、私たちも、次の代に大切なことを伝えられるよう努力を続け、共に、成長しつづけることを胸に誓うところです。

 開催にあたり、多くの方にご協力をいただきました。ここに厚く御礼を申し上げます。


●コメンテーター : 名古屋工業大学 藤岡伸子教授     ●ワークショップ会場全景

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●意見交換 先輩のアドバイス「悩みにしない」に勇気    ●藤岡先生も楽しそう「女性建築士って幸せそう」の気づき

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●がんばっていること、悩んでいること、本音で話し合いました・・・ 皆さん楽しそうです

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●グループ発表 リーダーによるファシリテーターとまとめが素晴らしかった・・・

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●懇親会 建築士会廣瀬会長 祝辞             ●日本連合会女性委員会 小野委員長 乾杯発声

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●部会発足当初の頃の部長の方々からメッセージ     ●初代部長〜第14代委員長まで 現委員長から御礼

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●懇親会 各テーブルで歓談                   ●お料理もダイバーシティに

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●筒井女性委員会担当理事 御礼の言葉          ●小野7代部長、筒井8代部長

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●30周年記念事業懇親会 集合写真                     ありがとうございました! 次は40周年で・・・


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防災セミナー2017「いざというとき、建築士だからできるこ』」に参加して  輪崎智美

 愛知建築士会女性委員会主催の講座として7回目の防災講習ということで参加させていただきました。

 在籍する豊田支部の活動としまして、これまでに耐震診断や耐震相談会、家具固定のアドバイス、また年に数回ローラー作戦ということで地区を絞った耐震診断・改修のお勧め活動などに参加してきました。また、1020日には豊田支部主催で避難所運営ゲーム「HUG(ハグ)」の講習に参加してきました。

 今回は建築士という資格を持つ者が、もしもの時にどんなことができるだろう?ということで興味があり参加しました。

 講師の近藤ひろ子先生は長年小学校にて教員として勤められた方で、現在は日本だけでなくミャンマーなど海外でも防災教育を勧められている方です。わかりやすいご説明により、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

 いつか来る「南海トラフ巨大地震」に備え、まず守るべきは「人命」。そしてそこからみんなが生き延びていくための被災生活について、自らの被災地訪問の経験等を踏まえてレクチャーいただきました。

 いつ・どこで遭うかわからない自然災害は、季節・場所・時刻を問わず、そして「想定外」のことが必ず起きます。興味深かったのは、結構頼りになる「中学生・小学生」の活躍ぶりです。被災の際は先導役となり(東日本大震災の時、3Fへ避難した小学生を一緒に山の上まで誘導してくれて津波を逃れられた)、また、炊き出し・清掃活動への参加・家の不用品を提供する活動など、大人から見ても感心してしまうような行動を臨機応変にこなしてくれているそうです。被災するときに地元にいたり、防災訓練を着実に経験しているのも中学生・小学生かもしれません。

 女性建築士として防災情報を発信する際に、誰に対して発信するといいのだろう?と思うことがありましたが、現在では小・中学生の方が私達より防災への備えの知識が豊富で、身についているかもしれません。被災地はさまざまな「助け合い」が集結してこそ、復興へと進んでいける場所なのかもしれません。今後も微力ながらも防災の備えについての発信を続けていけたらと思います。


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●子どもたちが学んでいる教科書の防災教育の中身がとてもわかりやすく充実している 「中学技術分野」東京書籍

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●講師 : 近藤ひろ子先生                    ●自分で考え判断できる子に育てる、毎日が防災・・・

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平成29年度 女性委員会「とこなめ見学会」に参加して  佐藤直子

 930日、平成29年度の女性委員会の見学会に参加いたしました。今年度は恒例のバス研修ではなく、現地集合、解散でした。

 まずは、堀口捨己設計のとこなめ陶の森陶芸研究所を、常滑の学術担当員小栗氏の解説付きで見学しました。写真だけでは気付かない、薄紫のグラデーションとモザイクタイルの美しいバランス。展示室は銀色をベースにトップライトの自然光で見せるしつらい。ガラス展示ケースの工夫。当時のモダニズム建築から日本古来の美しさを再確認し、現代建築に取り入れた設計者の意図が随所に感じられました。茶の湯を再現するための舞台のような和室(茶室)のしつらいや間接照明、市松や卍を天井や床にあしらい、金の間、赤の間、緑の間などの色合わせは設計者の表現の一つだったのでしょうか。

 屋上のトップライトも特別に見学させていただきました。当時のアルミサッシ(いかにも一品製作物です)や、屋上排水に試行錯誤の様子が垣間見えました。そういった発見ができるのは見学会ならではです。さらに、原図を見せていただくことができました。これは、トレーシングペーパーに鉛筆(?)描きの貴重なものです。この建物は常滑市のものですが、小栗氏が真剣に保存を考え尽力されているのが伝わりました。

 併設されている資料館を見学し、その後は常滑やきもの散歩道の自由散策です。

 常滑やきもの散歩道は近年観光化が進み、士会の会員や学生による土管坂休憩所の整備、アーティストによる陶芸、オブジェなどが随所に見られます。個人的にはSPACEとこなべで見つけた、常滑焼の作家による急須に魅入られました。茶こし網まで陶器でつくられ、技術の向上により、ふたと一体で焼き上げたというその精巧さと色合いはすばらしく、軽くて、とても素敵でした。とはいえ高価なもので買うことはできませんでしたが。

 今回も小学生・中学生・大学生に参加いただき、いっしょに登窯や登窯広場などを見学しました。いいお天気の中歩き回って少し疲れましたが、充実した一日となりました。

●常滑陶芸研究所 設計 : 堀口捨己               ●ナンバー17の車 
●堀口好みの赤と緑 奥は、八勝館 御幸の間の写しの間  ●屋上トップライト
●堀口の原図を手に熱く語る 学芸員・研究員の小栗氏  ●茶室にて





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