2020年02月01日

見学研修会(令和元年11月15日)碧南市哲学たいけん村無我苑・藤井達吉現代美術館を訪ねて        近藤 万記子

 女性委員会の研修ではいつも新たな発見をさせていただきます。
今回の研修も総勢19名の参加者とともに愛知の様々な宝物を発見できる一日でした。

 まず、愛知県民でありながら藤井達吉現代美術館という存在を知らず。
旧商工会議所をリノベーションした黒い外観は、
寺町を形成する美術館周辺の街並みを意識されたもの
(第16回愛知まちなみ建築賞、第19回BELCA賞ベストリフォーム部門を受賞)。
そして参加者にはこの建物のみならず、企画展示をお目当てに参加された方もおみえでした。
碧南市藤井達吉現代美術館全景.jpg
 その企画展示が「長七たたき」という人造石工法を確立した
「服部長七氏(1840〜1919)と近代産業遺産」の展示です。
たたきといっても消石灰と真砂土と水を練ったものを突き固めたもの。
明治時代に護岸工事などの大きな土木プロジェクトで採用されています。
鉄筋コンクリート工法が普及するまで日本の土木工事を支えた長七たたきの人造石工法。
現在は、四日市旧港に防波堤が重要文化財として残されています。

 藤井達吉氏(1881〜1964)の作品も生で初めて見ました。
私見で申し上げるなら、グラフィックデザイナーでインテリアデザイナーの先駆けであった方。
小原村での和紙工芸や七宝で有名ですが、現代の私たちにも新しさを感じさせる繊細なデザインでした。

 昼食にセッティングされたのは、碧南と言えば思い浮かぶ発酵系。
九重味淋(石川八郎治商店)のみりん工場内の民家レストランで、
季節の魚もろみ漬け御膳をいただきました。
地元の味の文化にも触れた気がします。
伝統の味.jpg

 そして哲学たいけん村無我苑へ到着。
碧南市の住宅街にひそやかに、しかし4479�uの広大な敷地の施設がありました。
「瞑想回廊」は鉄筋コンクリート造で若山滋氏の設計監修、
木造数寄屋の市民茶室「涛々庵」は中村昌生氏の設計監修、
研修道場「安吾館」は横内敏人氏の設計監修。
無我愛を唱えた地元の思想家伊藤証信氏と梅原猛氏の展示、
えて市民が利用する研修施設があります。
内部.jpg


 私たちの目的はやはり建物にあり、中村昌生氏の二重露地と茶室しかり、
お点前もいただける横内氏の立礼茶席と和室。
特に茶室と露地を包括した二重露地の囲い塀の存在は精神性を感じさせるもので、
思想を体現された建物が実在し、味わえる幸せを噛みしめました。
半面、こんなに良い施設がなぜあまり知られていないのだろうと、
残念にさえ思います。
無我苑.jpg 無我苑日本庭園.jpg

 私自身も含め、地元・足元の歴史文化や建築物に対して無知で、楽しめていないか。
愛知の建築をもっと知らなければ、と考える研修となりました。
集合写真.jpg


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