2018年09月30日

第28回全国女性建築士連絡協議会 高知大会 に参加して        谷村留都

全国的猛暑の7月28・29日、迷走台風との遭遇を心配しつつ高知に到着した。
帰りにとんだハプニングが起ころうとは、この時は知る由もなかった。

 開会式の後は宮城、福島、熊本の被災地報告の他、6月の大阪府北部地震の報告が加わった。
大阪府建築士会は応急危険度判定士の派遣協力協定を府、市と結んでいたので68名の派遣ができた。
ブロック塀の点検においても他団体と協同して1000件の調査を行ったなど、
日頃の活動が非常時の貢献につながった。
「無事は有事の如く、有事は無事の如く」
という久坂玄瑞の名言での締めくくりは印象的だった。

 基調講演は、高知を代表する建築家・山本長水氏の『一周おくれで先頭に 伝統こそ最先端』。
高知は森林率84%、まさに木の国、木がよく育つ環境であるが、
木でつくる伝統しかないとも言える。
近代建築に不可欠の鉄、ガラス、コンクリートは熱伝導率がよく、
湿気の多い高知には合わず、経済的にも木や土でつくるのが道理にかなっている。
氏の代表作である「かたつむり山荘」は林業会社の事務所で、
現場の山林の杉を葉枯らしをして、そのままつり上げ、放射線状に積み上げてつくられた。
製材するより、構造的に安定して安価である。
自然の木の面白さを生かした独特なスタイルは、その後の氏の定石となった。
土佐派と言われる現代の伝統型住宅、学会賞を受賞した高校の格技場や会社社屋など、
自然の地形を利用し、同じスタンス、経済性を念頭に合理的に設計された作品は伝統を超えた、
モダニズムの域に達していると感じられた。
エクカ−ション5_安芸DSCN0442.JPG

 翌日は恒例の分科会、愛知がコメンテーターとなる、
「高齢社会と住まい」の応援に参加した。
内容は愛知建築士会で発足した「福祉のすまい特別委員会」の根幹をなすテーマ、
『地域ケア会議に建築士が参加するとどんなよいことがあるか?』
を示唆する内容。
活動報告後のワークショップでは、介護保険制度に不慣れな建築士でも、
普段の仕事がアセスメント(評価)できる建築士の役割が、
実は地域包括ケアシステムの中で大きいということを認識した参加者が多く、
好評を得た。
IMG_4157.JPG

 1日目の夕方、多くのインフラがストップする事態となった。
おかげでキャンセルが出たエクスカーションに参加し、飛行機で帰るという、
想定外の締めくくりとなった。

 「土佐を旅するがは 予定は未定ちゅう おおらかな心でおらにゃーいかんぜよ」
と龍馬の声が聞こえたような…教訓!

posted by afa at 13:24| 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする