今年で27回目を迎える「わたしらしい住まいづくり」、そして部会として発足した女性委員会の30周年を記念して、1月20日(土)に「ライフスタイルがまちをつくる〜誇りに思える暮らし方・まちづくりと女性の活躍〜」と題して、講師に(株)まちづくりカンパニー・シープネットワーク代表取締役及びクリエイティブタウン推進機構専務理事の西郷真理子氏をお迎えし、セミナーを開催しました。
西郷氏は大学で建築学を学ばれた学生の頃から住民主体のまちづくりに関わり、川越の蔵造りの町並み保存と商店街活性化、黒壁の長浜まちづくりをはじめ津波被害を受けた石巻の再開発事業など多数の実績が評価されています。国内外から注目を集め、数多くの受賞をされるなど多方面でご活躍をされており、それを裏付けるように、セミナーでは建築関係以外の方も含め多くのご参加をいただけました。
各地方で過疎化の問題を抱えているのが日本の現状です。人口は減少し、商店街はいつしかシャッター商店街と言われるまちも少なくありません。その原因の一つに土地問題があると言われます。後継者がいないためシャッターを閉めたけど、土地の権利は離したくない。というように、新陳代謝の仕組みがうまく機能しなくなっていることが挙げられます。この問題が解決できれば効果のあるまちができる、ということです。
西郷先生の考える解決方法とは―。土地の所有者・商店街の組合が土地の利用を共同で決めることができる「まちづくり会社」を設立し、会社が土地を借り上げ、出店したい人に誘致をすることで家賃収入、お店が持てるという両方にメリットを提供する「住民主体のまちづくり」です。
住民主体のまちづくりでないと、再開発はうまくいかない。それは、地域に住んでいる人たちが、自分のまちを誇りに思うこと。そう言われると、まちの名所・旧跡を思い浮かべがちですが、そうではなく”自分たちの暮らし方“に誇りを持つこと。すると、自分たちが食べているもの、使ったりしているものが実は魅力的なものだと気づくことにつながります。魅力的なら、まちの外に情報発信してみようとつながり、そこに行ってみたい、食べてみたいと外から人が集まり、まちの産業を生み出し、雇用が生まれ、生活のしやすさも出て、良い循環が始まります。これがライフスタイルのブランド化による地域活性化ということです。
私の住むまちも過疎化が進み、お店が段々とシャッターを閉めている現状です。半ば仕方がないのかなと諦めていた部分もありますが、今回のセミナーを聞き、普段あたりまえだと思っているものから魅力を探して、情報発信をして、まちの魅力を少しでも伝えられたらなと思います。今回の副題である、誇りに思える暮らし方・まちづくりについて考える良いキッカケをもらえたように思います。
●名古屋都市ンター11階まちづくり広場 ●作品展
●西郷真理子先生のセミナー 「ライフスタイルがまちをつくる」 ●来場者のみなさん