2017年12月28日

平成29年度 第27回全国女性建築士連絡協議会に参加して  谷村留都

 71516日「未来へつなぐ居住環境づくり」と題して東京の建築会館で開催された。

 開会式の後、2件の活動報告、続いて被災地6県からの報告、その後基調講演と6時間以上に及ぶ長丁場の1日目は終わった。2日目は8つの分科会に分かれ、防災への取り組み、地産地消のすまい等々の内容で活発な議論が行われ、最後に総評で締めくくって無事終了した。いくつか印象に残った報告を簡単に紹介したい。

 最初の活動報告、北海道の女性委員会は、18年前から「子どもと建築」をテーマに継続活動している。今回は「高校住教育講座〜はじめての一人暮らし〜」という家庭科の授業への出張講座の報告であった。北海道の場合、卒業後進学も含めて親元を離れての一人暮らしが始まる生徒が多い。その手助けになる訓練として集合住宅の1室をプランニングする課題を女性委員会がサポートした。現実的な課題を通じて不動産手続きのやり方、住環境への気づきなど身の丈に合った住教育の一端を担っている。

 宮崎県延岡支部は、東京の有名建築家を招待して市民と共にワークショップの手法を学んだ。同時に空き店舗が多い駅前商店街の1室を借り、DIYの講習会を何度も行い、自らの手で市民と共にリノベーションした。出来上がったスペースはコミュニティ空間としてその後も活用している報告であった。

 岩手、宮城、福島、熊本、佐賀、鳥取の被災地からは、取り組みの状況や厳しい現実についてそれぞれ熱く語られた。生の被災地報告を聞くと、テレビ等マスメディアの情報とは違う現実がわかり、いずれ他人事ではなくなることを覚悟した。

 女性建築士連絡協議会は来年の高知大会へ向け「和の空間を考える」を共通テーマにしている。その一環としての基調講演は、明治村館長で建築史家の中川武先生による「居住空間にとって美とは何か」であった。先生のお話は古代からの住居の歴史を踏まえての壮大なスケールで、ついていくのが精いっぱいであったが、結局美についての結論はよくわからなかった。ただ、「重層的な非決定」という日本人ならではの物事の成立方法の解説で、もやもやっとした歴史の流れの捉え方が見えたような見えないような…。先生の著書『日本の家』を読んで、ぜひ地元の愛知でもお話を聞きたいと思った。久し振りの参加であったが学ぶことの多い会で、若い方がもっと参加されることを期待する。


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●全国女性建築士連絡協議会 東京建築会館にて     ●基調講演 中川武先生

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 ●日本連合会女性委員会委員長(愛知の小野常務理事)  ●分科会の司会・報告(愛知の筒井担当理事)

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●愛知の参加委員+1歳委員                    ●集合写真 

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●基調講演 中川武先生の名著

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●まちあるき


posted by afa at 11:01| 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする