2016年05月10日

わたしらしい住まいづくりセミナー                                                  「つながりを生み出す家と街〜第四の消費時代から考える〜」報告       近藤万記子

 「ソーシャル・アーキテクト」とは何だろう?


そんなことを考えていた時に、このセミナーの企画が女性委員会から持ち上がった。社会デザイン研究者の三浦展氏の話を聞き、我々建築士のこれからのヒントになればという主旨で企画が進んでいた。三浦氏の著書タイトルをみれば「これから日本のためにシェアの話をしよう」「東京は郊外からきえていく」「日本人はこれから何を買うのか?」「第四の消費」「下流社会」…。ソーシャルとアーキテクトのこれからを考えていた私にとっても渡りに船だった。


 当日も盛況のうちにセミナーが始まった。高齢化社会になるから未来はただ不安と思っていっていたら大間違い。1人の若者が3人の高齢者を支える超福祉社会ではなく、3人の高齢者が1人の若者を支えるシェア社会が目前なのだという。74歳まで働く社会となれば、高齢化社会でもソフトランディングできると三浦氏に提示されても、内心は勘弁してほしいと思う。しかし人口構成は変わるはずなければ、これが現実化していくのだろう。


 世代間のシェアもあるが、根本的に私有しなくてもいいものはシェアで済ませるという「第四の消費社会」にすでに時代は突入しているようだ。三浦氏によると、マイホーム一戸建てにみられる私有消費から時間、空間、モノ、コトをシェアする場所をつくることが、これからの消費社会への対応になるということだ。ではどうすればいいのか。具体例も紹介していただいた。

 8件ほどの実例紹介のうち、空室がちな64戸をシェアハウスみたいに仕様変更して人気物件にした例「メゾン青樹ロイヤルアネックス」と、テレビなどでも度々紹介される「Share金沢」が魅力的だった。Share金沢はサービス付き高齢者住宅、福祉入所施設、天然温泉、飲食店、美大大学生の部屋等々が気持ちよく配置された街(11000坪の敷地)で ここの住民だけでなく地域住民もまきこんだ街づくりと地域コミュニティが生まれていた。まさにソーシャル・アーキテクトの仕事の理想形だ。


 前述の紹介事例を目指すわけではないが、私たちの問題意識よりもはやく現実のニーズの方があり、かつ成功実現していることに勇気をもらった。セミナーを聞いて解答を得るわけではないが、問題意識と自覚はさらに強くなり(意識をシェアできたということで)、有意義なセミナーだったと思う。


 女性委員会ではこのようなセミナーと建築作品展示・活動展示、相談会活動を毎年行い、今年で第25回となった。25回分のイベントを振り返る展示もあり、委員会がいかに時代のニーズと真摯に向き合って、企画をしてきたかもよくわかった。今回のテーマがそうだったように。今後の女性委員会の活動も楽しみになった。


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posted by afa at 14:16| 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする