2017年12月28日

平成29年度 女性委員会30周年記念事業ワークショップ・懇親会を開催して  江上一枝

20171126日(日)午後、1988年に部会として発足した女性委員会の30周年を祝い、名古屋市東区の東海放送会館内ホテルレストランの「光の間」にて、記念事業を開催しました。

 10周年、20周年の頃とは様相が大きく変わった建築士の現状を見据え、30周年の今を転機とし、今後について本気で考えようと、建築士会会員だけの本音で語り合える場を設けることになりました。ワークショップ41名、懇親会51名の参加があり、歴代女性部長・委員長におかれましては、第15代までの全員にご参加いただき、穏やかに歓談しながら、次の世代に大切なメッセージを伝える貴重な機会にしていただきました。

 ワークショップは「人生を豊かに味わうために」をテーマとし、がんばっていることや悩みを伝え合い、そもそも悩みにしないというコツや、多様な考え方や現実があることを知り、それぞれに自分の現状を俯瞰する余裕が生まれ、自分の課題に向き合い、自分なりの答えを出して前進する勇気を与えられたと、目を輝かせる人の多かったことが印象的でした。

 また、名古屋工業大学ダイバーシティ推進センター長の藤岡伸子教授には、工学系女性を取り巻く現状と指導的立場での活躍を推進する大学の取組みの報告とワークショップをまとめていただきました。先生が勇気を与えられたという「女性建築士が幸せそうだ」という気づき。それは、ピラミッド社会の価値基準から逃れたり何かに頼ったり、一時的には「負け」のような態度に甘んじることを厭わない柔軟な価値判断は、仕事からも家事からも自分なりの幸せを感じられるライフスタイルを実現させており、今後のネットワーク型社会を生き抜いていく「強み」になるのではないかというものでした。先生の専門は美学。「美」には人間としての生き方が問われると聞いたことがあります。女性建築士の暮らしに「美」を求める幸せな生き方働き方は、先生だからこそ気づくことができ、私たちも、自分たちの人生の選択を再評価していただけたようで、自信と勇気をいただきました。

 このように思えるのも、30年以上前から部会発足準備に関わってくださった多くの先輩方の努力や思いやりとのつながりがあってこそと深謝し、私たちも、次の代に大切なことを伝えられるよう努力を続け、共に、成長しつづけることを胸に誓うところです。

 開催にあたり、多くの方にご協力をいただきました。ここに厚く御礼を申し上げます。


●コメンテーター : 名古屋工業大学 藤岡伸子教授     ●ワークショップ会場全景

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●意見交換 先輩のアドバイス「悩みにしない」に勇気    ●藤岡先生も楽しそう「女性建築士って幸せそう」の気づき

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●がんばっていること、悩んでいること、本音で話し合いました・・・ 皆さん楽しそうです

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●グループ発表 リーダーによるファシリテーターとまとめが素晴らしかった・・・

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●懇親会 建築士会廣瀬会長 祝辞             ●日本連合会女性委員会 小野委員長 乾杯発声

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●部会発足当初の頃の部長の方々からメッセージ     ●初代部長〜第14代委員長まで 現委員長から御礼

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●懇親会 各テーブルで歓談                   ●お料理もダイバーシティに

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●筒井女性委員会担当理事 御礼の言葉          ●小野7代部長、筒井8代部長

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●30周年記念事業懇親会 集合写真                     ありがとうございました! 次は40周年で・・・


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防災セミナー2017「いざというとき、建築士だからできるこ』」に参加して  輪崎智美

 愛知建築士会女性委員会主催の講座として7回目の防災講習ということで参加させていただきました。

 在籍する豊田支部の活動としまして、これまでに耐震診断や耐震相談会、家具固定のアドバイス、また年に数回ローラー作戦ということで地区を絞った耐震診断・改修のお勧め活動などに参加してきました。また、1020日には豊田支部主催で避難所運営ゲーム「HUG(ハグ)」の講習に参加してきました。

 今回は建築士という資格を持つ者が、もしもの時にどんなことができるだろう?ということで興味があり参加しました。

 講師の近藤ひろ子先生は長年小学校にて教員として勤められた方で、現在は日本だけでなくミャンマーなど海外でも防災教育を勧められている方です。わかりやすいご説明により、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

 いつか来る「南海トラフ巨大地震」に備え、まず守るべきは「人命」。そしてそこからみんなが生き延びていくための被災生活について、自らの被災地訪問の経験等を踏まえてレクチャーいただきました。

 いつ・どこで遭うかわからない自然災害は、季節・場所・時刻を問わず、そして「想定外」のことが必ず起きます。興味深かったのは、結構頼りになる「中学生・小学生」の活躍ぶりです。被災の際は先導役となり(東日本大震災の時、3Fへ避難した小学生を一緒に山の上まで誘導してくれて津波を逃れられた)、また、炊き出し・清掃活動への参加・家の不用品を提供する活動など、大人から見ても感心してしまうような行動を臨機応変にこなしてくれているそうです。被災するときに地元にいたり、防災訓練を着実に経験しているのも中学生・小学生かもしれません。

 女性建築士として防災情報を発信する際に、誰に対して発信するといいのだろう?と思うことがありましたが、現在では小・中学生の方が私達より防災への備えの知識が豊富で、身についているかもしれません。被災地はさまざまな「助け合い」が集結してこそ、復興へと進んでいける場所なのかもしれません。今後も微力ながらも防災の備えについての発信を続けていけたらと思います。


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●子どもたちが学んでいる教科書の防災教育の中身がとてもわかりやすく充実している 「中学技術分野」東京書籍

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●講師 : 近藤ひろ子先生                    ●自分で考え判断できる子に育てる、毎日が防災・・・

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平成29年度 女性委員会「とこなめ見学会」に参加して  佐藤直子

 930日、平成29年度の女性委員会の見学会に参加いたしました。今年度は恒例のバス研修ではなく、現地集合、解散でした。

 まずは、堀口捨己設計のとこなめ陶の森陶芸研究所を、常滑の学術担当員小栗氏の解説付きで見学しました。写真だけでは気付かない、薄紫のグラデーションとモザイクタイルの美しいバランス。展示室は銀色をベースにトップライトの自然光で見せるしつらい。ガラス展示ケースの工夫。当時のモダニズム建築から日本古来の美しさを再確認し、現代建築に取り入れた設計者の意図が随所に感じられました。茶の湯を再現するための舞台のような和室(茶室)のしつらいや間接照明、市松や卍を天井や床にあしらい、金の間、赤の間、緑の間などの色合わせは設計者の表現の一つだったのでしょうか。

 屋上のトップライトも特別に見学させていただきました。当時のアルミサッシ(いかにも一品製作物です)や、屋上排水に試行錯誤の様子が垣間見えました。そういった発見ができるのは見学会ならではです。さらに、原図を見せていただくことができました。これは、トレーシングペーパーに鉛筆(?)描きの貴重なものです。この建物は常滑市のものですが、小栗氏が真剣に保存を考え尽力されているのが伝わりました。

 併設されている資料館を見学し、その後は常滑やきもの散歩道の自由散策です。

 常滑やきもの散歩道は近年観光化が進み、士会の会員や学生による土管坂休憩所の整備、アーティストによる陶芸、オブジェなどが随所に見られます。個人的にはSPACEとこなべで見つけた、常滑焼の作家による急須に魅入られました。茶こし網まで陶器でつくられ、技術の向上により、ふたと一体で焼き上げたというその精巧さと色合いはすばらしく、軽くて、とても素敵でした。とはいえ高価なもので買うことはできませんでしたが。

 今回も小学生・中学生・大学生に参加いただき、いっしょに登窯や登窯広場などを見学しました。いいお天気の中歩き回って少し疲れましたが、充実した一日となりました。

●常滑陶芸研究所 設計 : 堀口捨己               ●ナンバー17の車 
●堀口好みの赤と緑 奥は、八勝館 御幸の間の写しの間  ●屋上トップライト
●堀口の原図を手に熱く語る 学芸員・研究員の小栗氏  ●茶室にて





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平成29年度 女性委員会講習会「町を住みこなす〜超高齢社会の居場所づくり〜」に参加して 磯部喜恵

 8月6日に愛知建築士会会議室において、東京大学大学院の大月敏雄教授の、表題についての講演会が行われました。

 超高齢社会とは、総人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合が、21%を超えた社会のことを言うそうです。日本は、平成15年にすでに26.7%となっており、世界のトップを走っています。これからもこの現象はますます加速されていくなかでの、現状や例、問題点、今後求められること、などについてのお話でした。

 戦後の住宅不足を補うためにつくられた狭い共同住宅は、家族構成の変化により、隣や上階などを買い足して生活をしている例などは、意外な住まい方をしていて、日本の住まいに対する生活様式・水準の変化も感じました。

 また、1 9 6 0 年代から、さかんに各地につくられたニュータウンが老化してきた、という例は、私たち誰でも思い当たる、また身近な現象として興味のある話でした。ニュータウンは、入居時はほとんどが同じような年齢層で構成されていました。これを大月先生は「35歳と生まれたて」と表現されています。子供世代が巣立ってしまうと、高齢者になった親世代がほとんどになり、学校のクラス数も激減し、保育園などが統合されたところもあると聞きます。都市計画上の理想として、中央に位置していたショッピングセンターも経営不振となり撤退、一箇所に集められていた商店街もほとんどが閉まっているところもあります。郊外のちょっと小高い山を削ってつくられたところが多いので、車がないと買い物や病院等に行くにも不便で、道路と敷地に高低差のあるところなども多く、高齢者にとっては、とてもいい環境とは言えなくなりつつあります。

 住まい方に多様性があるように、町の機能にも多様性が必要で、年齢層の違う世帯や、ちょっとした商店、集まりの場所などが点在し、もっと近隣との関係がもてるような町がいいのかな、と考えさせられました。

 終了後、気さくな先生を囲んでの交流会でも、活発な意見交換が行われました。


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●講師 : 東京大学 大月敏雄教授              ●講師交流会 延長して皆でたくさん話しました








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平成29年度 第27回全国女性建築士連絡協議会に参加して  谷村留都

 71516日「未来へつなぐ居住環境づくり」と題して東京の建築会館で開催された。

 開会式の後、2件の活動報告、続いて被災地6県からの報告、その後基調講演と6時間以上に及ぶ長丁場の1日目は終わった。2日目は8つの分科会に分かれ、防災への取り組み、地産地消のすまい等々の内容で活発な議論が行われ、最後に総評で締めくくって無事終了した。いくつか印象に残った報告を簡単に紹介したい。

 最初の活動報告、北海道の女性委員会は、18年前から「子どもと建築」をテーマに継続活動している。今回は「高校住教育講座〜はじめての一人暮らし〜」という家庭科の授業への出張講座の報告であった。北海道の場合、卒業後進学も含めて親元を離れての一人暮らしが始まる生徒が多い。その手助けになる訓練として集合住宅の1室をプランニングする課題を女性委員会がサポートした。現実的な課題を通じて不動産手続きのやり方、住環境への気づきなど身の丈に合った住教育の一端を担っている。

 宮崎県延岡支部は、東京の有名建築家を招待して市民と共にワークショップの手法を学んだ。同時に空き店舗が多い駅前商店街の1室を借り、DIYの講習会を何度も行い、自らの手で市民と共にリノベーションした。出来上がったスペースはコミュニティ空間としてその後も活用している報告であった。

 岩手、宮城、福島、熊本、佐賀、鳥取の被災地からは、取り組みの状況や厳しい現実についてそれぞれ熱く語られた。生の被災地報告を聞くと、テレビ等マスメディアの情報とは違う現実がわかり、いずれ他人事ではなくなることを覚悟した。

 女性建築士連絡協議会は来年の高知大会へ向け「和の空間を考える」を共通テーマにしている。その一環としての基調講演は、明治村館長で建築史家の中川武先生による「居住空間にとって美とは何か」であった。先生のお話は古代からの住居の歴史を踏まえての壮大なスケールで、ついていくのが精いっぱいであったが、結局美についての結論はよくわからなかった。ただ、「重層的な非決定」という日本人ならではの物事の成立方法の解説で、もやもやっとした歴史の流れの捉え方が見えたような見えないような…。先生の著書『日本の家』を読んで、ぜひ地元の愛知でもお話を聞きたいと思った。久し振りの参加であったが学ぶことの多い会で、若い方がもっと参加されることを期待する。


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●全国女性建築士連絡協議会 東京建築会館にて     ●基調講演 中川武先生

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 ●日本連合会女性委員会委員長(愛知の小野常務理事)  ●分科会の司会・報告(愛知の筒井担当理事)

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●愛知の参加委員+1歳委員                    ●集合写真 

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●基調講演 中川武先生の名著

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●まちあるき


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